神奈川は逗子から独自性が光るハンドメイドギターが入荷！

オーダーの自由度が魅力的なKz Guitar Worksですが、今回はメーカースタンダードを踏襲したスペックでシンプルにご用意しました。

F社のSTタイプをモチーフにしているKz ST Tradですが、その実態はかなりの別物。
まず特筆されるのはマホボディ、マホネックというスペックでしょうか。
一般的にSTタイプと言えばアルダーorアッシュのボディにメイプルネックというスペックですが、国産マホガニー使いの雄とも言えるKz Guitar Worksでは標準はオールマホ。
良質なマホガニー材が生み出すリッチトーンは他のメーカーとは一線を画します。
ボディはあえて3Pが標準というかなり独特なチョイスですが、目的はコストカット等にあらず。
ネックジョイント、ブリッジ等のギターの中心部を一つの材の上に搭載することで、一体化した振動伝達に寄与します。

25インチ(635mm)というスケールもKz Guitar Worksの特徴でしょうか。
STスタイルとしてはやや短く、日本人の体格にもジャストフィットします。
スケールが短いことに伴い、弦のテンションも若干緩め。軽やかなフィンガリングに寄与します。
もちろんテンションの緩さはサウンドにも影響があり、ロングスケールと比較すると若干サウンド面もルーズに。
より一層ダイナミックな質感や甘さを出す上でG社ライクな質感も両立します。

PUはKz Classic PUシリーズからAlnico2 Single CoilとHumbuckerをSSH配列でチョイス。
品質に定評のあるKz Guitar WorksオリジナルPUから、いわゆるシンプル王道スペックのPUであるClassicシリーズ。
Kz Classic Alnico2 Single CoilはトラッドなSTらしさを持ちつつも、適度にモダンな質感にまとめ上げオールジャンル使いやすいサウンド。特筆すべきはコードの分離感と倍音のクリアさ。
渋いダーティなサウンドはそこまで得意分野ではありませんが、甘く煌めく透明感のようなところは随一。
リアは同じくKz Guitar WorksオリジナルPUからClassic Humbuckerを搭載。
こちらも古き良きPAFの質感をどこか漂わせつつも、トータルではモダンでまとまりよく、高音域の甘い抜け感が特徴的。
トーンポットのPush-Pullでリアハムのコイルタップが可能ですが、Kz Classic Humbuckerはコイルタップ時のサウンドも極めて優秀。
ハムバッカーのコイルタップでは線が細くなりすぎてシングルコイルの代用にはならないことも多々ありますが、Kz Classic Humbuckerは良い意味で線の細さが繊細さとして現れます。
極太シングルコイルサウンド等にはなりませんが、フロント、センターのClassic Alnico2 Single Coilと合わせてまるで3S配列のような使い勝手も持ちます。

一般的なSTタイプとは大幅にスペックが異なりますが、それゆえに新たな世界を得られる1本と言えます。
オールマホのSTスタイルにご興味がある方、ちょっと短いスケールに魅力を感じた方、ぜひお試しください。

SPEC
Body : Big-Leaf Mahogany 3P
Neck : Big-Leaf Mahogany (Slim Medium)
Fingerboard : Indian Rosewood (12R)
Frets : Jescar FW55090
Nut : Black TUSQ
PU : Kz Classic Single Alnico2, Kz Classic Humbucker
Control : 1V, 1T, 5Way-Selector, Coil-Tap
Scale : 635mm
Finish : Urethane
Weight : 3.50kg